クチの地下トンネル跡地を見学。アメリカ軍を悩ませ後に枯葉剤散布（このベトコンの拠点である森林の枯死と耕作地域の破壊を目的に散布された）のきっかけともなったクチトンネル。見れば見るほど緻密な計算のもとに効率良く作られている。蟻の巣のように張り巡らされた彼らの地下トンネルはこの小さな道具のみで掘り進められたという。この周辺はのどかな田舎町。食用の茶色い牛も沢山放牧されている。「ベトナム戦争＝枯葉剤＝ベトちゃんドクちゃん」という図式が頭の中にあって胸が潰れる思いで見学する我々とは正反対にアメリカ人ツアー客はゲームでも楽しむかのようにキャーキャー笑いながら展示物の戦車に跨り実弾射撃を体験する。自分のおじいさんはヒーローなんだと言わんばかりのデリカシーの無い態度には正直不快感を覚える。今も枯葉剤の影響で苦しむ人々の現実を彼らは果たしてどの程度知っているのだろうか？何の援助も責任も持たないアメリカ。後日訪れたツーズー病院（現平和村）で色々とお話を聞いてきたがアメリカ人の姿を見る事は無かった。